1.はじめに
採用プロセスは企業によってさまざまですが、日本と海外では特に異なる点が多いです。私自身、日本企業と外資系企業の両方の面接を受け働いてきた経験や、外資系企業で面接の担当をしたり、海外挑戦をしている生徒さんのサポート実績をベースに、この記事では、日本と海外の採用・面接の違いを具体例を交えて、応募者がどのようにアプローチすれば良いのかを解説していきます。
日本の採用試験の感覚で海外や外資系の会社の採用試験を受けると、なかなか面接に進めなかったり、採用にたどり着くまでに非常に多くの時間がかかります。だからこそ違いを理解し、海外や外資系の採用プロセスでの戦い方を知ることで早く道が切り開けますよ!
2.日本と海外(英語圏)の採用の違い
日本の採用の特徴
一括採用(ポテンシャル重視)
一度に多くの人材を確保し、未経験から長期的に育成して定年まで働いてもらう「終身雇用制度」がまだまだ前提。年齢や勤続年数に応じて役職や給与が上がる「年功序列制度」。そのため、日本では人柄やコミュニケーションスキルといった人間性が評価されることが多い。
海外(外資系等)の採用の特徴・ジョブ型採用(実力主義)
ジョブ型採用(実力主義)
人材が必要になったタイミングで特定の職位・ポジションを随時募集や選考をしている。
採用してから人材を育てるという発想がなく、即戦力として会社に利益をもたらすことができるのかが重要なポイント。会社に適していない従業員は解雇し、求めるスキルや実績を持つ人材に入れ替え、成果によって給与は変動するのが基本です。
実際、私が働いている外資系では新卒採用は行っておらず、社会人経験者の採用で、人が必要になったら求人が出ています。内容は募集ポジションによって、その分野での実務経験や成果を出していることが重要視されています。
3.日本と海外(英語圏)の面接の違い
日本と海外の面接には、文化や価値観に基づくさまざまな違いがあります。この違いを理解することで、応募者は面接に臨む際に効果的なアプローチを取ることができます。上記の表のように、日本と海外の面接の特徴を比較し、どのように準備すれば良いか見ていきましょう。
1. コミュニケーションスタイル
日本:自己アピール控えめ
日本の面接では、「自分はこれが得意です」と言い切るのは避け、「周囲の方々と共に作り上げました」等と控えめな姿勢や協調性が求められることが一般的です。
海外:自己アピール超重要
海外の面接では、自分を積極的にアピールすることが重要です。たとえば、「私はこのプロジェクトでリーダーシップを発揮しました」と具体的な成功事例を挙げて自己PRすることが期待されます。この際、自信を持って話すことがポイントです。
2. 求められていること
日本: 結果よりプロセスや人柄を重視
募集しているポジションに対して、未経験でも応募可能が多い。
応募者の成果よりも努力の過程や人柄が重視されることがあります。例えば、どのようにその経験を活かしたかや、一緒に働く人たちとうまくやっていけるか等も求められています。
海外:成果・結果を重視
募集しているポジションの経験や実務があることが前提。
応募者は自分の強みや実績を自信を持って述べることが期待されていて、自分のスキルや経験を具体的な例を用いてアピールすることが重要です。なぜなら採用後に「即戦力」となり、結果を出すこと(求められていること以上のことができる)を求められています。
私が現在の職場に応募した際のレジュメは数字を入れた成果をたくさん書きました。どんな些細なことでも経験したことや実績は書き出して数値化してみて!
3. 質問の内容
日本:協調性を重視した質問
日本の面接では、志望動機や自己PRのほか、グループ活動やボランティア経験など、協調性を重視した質問が多いとされています。
海外:過去の経験に基づく質問
行動面接(Behavioral Interview)が一般的で、「過去の経験に基づく具体的な質問」が多くなります。例えば、「困難な状況をどう解決しましたか?」というような質問で、こういった質問から未来の行動を予測するため、論理的に説明できているかどうか、スキルや問題解決能力を客観的に評価されています。
4.質問の回答
日本:
- 控えめなスタイル: 回答は謙虚で、周囲との関わりを強調する傾向がある。
- 相手への貢献を重視: 自分の意見よりも、他者やチームへの貢献を考えた回答が求められる。
- フィードバックへの受け入れ姿勢: 面接官の意見に対して共感する姿勢が重視される。
海外:
- 自己主張の強さ: 自信を持って経験や実績を語ることが求められる。
- 具体的な事例の重視: 行動面接形式が多く、STARメソッドを用いた具体的な経験を基にした回答が期待される。
- 積極的なアプローチ: 質問には率直に自分の意見を述べ、深掘りされた質問にも対応する姿勢が求められる。
- 対話を重視: フィードバックに対しても自分の意見を述べることが奨励される。
まとめ
日本と海外の採用の仕方や面接には、それぞれ異なる文化的な特徴があります。応募者は、応募する国の文化を理解し、それに合わせた準備をすることで、より良いチャンスに巡り合えるので、最後まで読んでくださったあなたには、ぜひ自信を持って面接に臨んでほしいです!